『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』 四角大輔 ③
・1グラムでも軽いこと
・1立方センチでもコンパクトなこと
・折たたみ可能 であればなおよし
・複数の機能つき であればなおよし
移動生活に必要なギアは7カテゴリーある。
パッキング、ベーシック、ガジェット、ウェア、セーフティ、
コンフォート、シューズ+α。
移動生活を続けていく中でわかったこと、
それは実用的にも、生き方という面においても、
身軽であればあるほどいい、荷物は少なければすくないほどいい、ということだ。
ぼくの場合は15分あれば出発が可能だ。
KnowRoamingやApple SIM
ぼくはMacBookとiPhoneの両方にATOKを入れて、
文字入力を省力化している。
ATOKは日本語の変換精度がもっとも高く、
人が認識してルール化してきた日本語の特徴に基づいた文字変換に長けている。
旅をしながら仕事をするためには、iPhoneのフリック入力をマスターすべきだ。
旅をするように生きるには、楽をするための努力が不可欠だ。
●Tripit(旅程の管理)
飛行機やホテルを予約するとそのメールを取り入れてくれて、
予定表をつくってくれる。
飛行機が遅れているという情報も自動で教えてくれるし、
ホテルを予約すると住所も吸い上げて、
空港からホテルまでの経路をGPSを使って自動的に教えてくれる。
位置精度がより高い、iPhoneマップの方を使う。
しかも、iPhoneマップだとスリープ画面でも地図を表示してくれるので、
いちいちアプリを開かなくてすみ、非常に助かる。
生きたいスポットが集まっているエリアの真ん中に宿をとるのが、
ぼくの旅のスタイル。
●Sun SeekerとMagic Hour
朝陽好きのぼくは、旅先ではいつも東向きの部屋を借りる。
Sun Seekerは、指定場所の夜明けと日没時間を通知してくれ、
その角度も3D図で示してくれる。
Magic Hourは、朝焼けと夕焼けの撮影愛好家のぼくに、
光がもっともいい時間帯を分単位で教えてくれる。
●TunnelBear(VPN)
旅先で、セキュリティが不安な無料Wi-Fiを使う際に、
このアプリをオンにすれば、安全なネットワークを確保してくれる。
さらに、エリア制限のあるラジオ・音楽・テレビ番組・映画アプリを
世界のどこにいても視聴可能にしてくれる。
MacとiPhon両方同時に使えて、
500メガバイトまで無料、それ以上は英語サイトで契約すると安い。
●TextwellとULYSSES
テキストエディタのTextwellが秀逸だ。
立ち上がりが早く、動きも軽く、インターフェースがシンプル。
なによりもいいのが、リアルタイムで文字数のカウントもしてくれる点。
これは執筆家には必須の機能。
シームレスに文章の作成や編集ができて、
Wordやブログなど、いろいろなフォーマットにすぐコンバートできる。
最近導入した「ULYSSES」もかなりの多機能で使いやすい。
アイデアやメモ写真、本やウェブ記事の抜粋、音声など、
旅先や旅の途中で出会う、あらゆるデータを記録・保管している。
●Hootsuite(SNSの管理)
SNSの管理にはこれがベスト。
Twitter, Facebook, Instagramを同時に見ることができるうえ、
時間を設定してここから予約投稿もできる。
●MocaとGoogleカレンダー
もっともひんぱんに使う月表示と1日表示という、
両立させづらいこの2つの画面をすばやく一覧できるインターフェースが
Mocaの一番の売りだ。
Googleカレンダーとの完全同期ができる。
●Todoist(プロジェクトタスク管理)
オフラインでも使えることと、デザインと操作性の高さがすばらしい。
複数のプロジェクトをつねに回しているモバイルボヘミアンにとっては、
神アプリと呼んでもいいだろう。
●Be Focused(集中力)
25分間、1タスクのみに集中し、
5分間休憩するという、25分+5分を1区切りとする、
ポモドーロテクニックと呼ばれる仕事術を活用するためのアプリ。
この30分をワンセットにし、
執筆やクリエイティブワークに取り組むと、驚くほど生産性が上がる。
精神と肉体は、お互い大きな影響を与え合っている。
メンテナンスというのは、鍛えるより、心と体の調子を知り、整えること。
セルフメンテナンスにおいて重要なのは、毎日のルーティンをつくること。
実は、このルーティンこそが、不確実で不安定な移動生活における、
メンタルの平穏と安定をもたらせてくれる鍵となるのだ。
ぼくは、集中力がもっとも高くなる午前中をクリエイティブワークの時間にあてる。
体を動かす方法は無数にある。
自分の心と体にムリな負荷をかける必要はまったくない。
自分が楽しく気持ちいいと感じれば、
体のメンテナンスは習慣化される。
人間の脳は、太陽が沈むと活動をやめようとする構造になっているため、
日没後は基本的に仕事をしない。
部屋の電気をつけないでキャンドルだけにして、
体を動かすことも脳を動かすことも極力やらない。
20時にはベッドに入り、ブルーライトをカットした
iPhoneで、SNSの発信をしたり、読書から映画鑑賞をして、
21時には就寝。
心と体を整えるうえでもっとも大切なことは睡眠だ。
睡眠は今日の終わりではなく、明日の始まりだ。
ぼくが毎年訪れるヨーロッパの古い街であれば、
Airbnbを活用し、一番好きな街のエリアで、
できるかぎり東向きの部屋を探すようにしている。
ぼくにとっては、
移動先で自信の表現に関わるクリエイティブワークをすることが
なによりも楽しいことなのだ。
午後になると街にでる。
だいたい1日10キロから20キロは歩き、
あるいはレンタルサイクルで20キロから30キロと走る。
睡眠の質を下げたくないので、
夜はなるべく予定を入れないようにしている。
まず、早寝早起きを心がけ、必ず朝陽を浴びてのヨガストレッチを行うこと。
朝食は消化のいいものを軽めに済ませ、
昼食は炭水化物を中心にかなり多めに摂取し、
夕食は野菜中心に少なめ。
超フレキシブルで自由度が高い生き方だからこそ、
体はもちろん、特に心の調子をライフスタイルを安定させるために、
逆に、ルーティンを決める、習慣を決めることが重要になってくる。
旅しながら初めて訪れる街を走るとなると、
決して飽きることはない。
むしろ、今日はどんな景色が見られるのか、
どんな音が聞こえるのか、楽しみになる。
移動して場所さえ変えてしまえば、ルーティンすること自体が、
よい意味でルーティン化しない。
ぼくたちは、どこまでも自由になれる。
Simplicity is the ultimate sophistication.
ぼくが今20代だっとしたら、
なにかを学ぶなら、確実に言えることは、
ビジネスではなく、クリエイティブとテクノロジーを学ぶだろうということ。
Keep looking. Don't settle
落ち着くな、探し続けよ。
特にヨーロッパで顕著だが、
ぼくたちが日本人だとわかると、
表情が和らぎ、好意的にもてなしてくれる人たちが非常に多いのだ。
体質的に熱さに弱い白人や、
寒さに弱い黒人よりも、
黄色人種は、気候や環境にもっとも適応しやすい特性を持つ。
日本は地理的に非常に便利な場所にあり、異動のためのハブとして最適。
まずは一度立ち止まって、
今のままでいいのか? という質問を自分自身に問いかけてもらいたい。
本当にやらないといけないことだろうか。
心からやりたいと思うことだろうか。
やっぱり違うな、と思うのであれば、
今すぐアクションを起こしてほしい。
ライフスタイルが最優先。
好きなことに妥協しない。
興味のないことには時間もお金も一切かけないが、
好きなことには思い切り投資する。
水辺を偏愛している。
早寝早起き。
屋内よりも野外が好き。
体を動かすことが好き。
落ち着きがない。
新しいことや変化が大好き。
世界のあちこちで同じように、
自由であり続けるために、
失敗をおそれず実験を繰り返し、
クレイジーなほど挑戦し続けている同志たちがたくさんいる。
モバイルボヘミアンとは、プロの個人という、
ソロアーティストとして生きること。
しかし、この世界に飛び込んだ先には、必ず仲間がいるのだ。
個人同士だからこそ、より強くつながり合える。
環境もある、武器もある。あとは、やるか、やらないかだけ。
大丈夫。ぼくたちは、どこまでも自由になれる。
モバイルボヘミアンとは