『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』 四角大輔  ②

マニアックメディアには、読者や視聴者の数は少ないものの、

隅々までしっかり目を通してくれる、熱量の高いアクティブユーザーが多くいるため、

必ずなにかの反応をしてくれる。

 

こうやってマニアックメディアへの小さな出演を重ねながら、

フォロワーをコツコツと増やしていく手法を、コアファンの構築と呼び、

音楽アーティストのプロデュースにおいても、

自信のブランディングにおいても、とても重視していた。

 

あなたの発信を受け取ったユーザーからの反応を引き出して、

口コミを誘発して初めて意味を成す。

 

ここで大事になってくるのは、

必ず掛け算としてSNSを活用することだ。

 

専門誌の読者の中には、流行や新しいことに敏感で、

それを人に伝えたがるような、今でいうマイクロ・インフルエンサーが多かった。

 

4万人の高感度の人たちが読んでくれているわけで、

その読者4万人の中で、特に敏感な数百人がフォローしてくれたら成功。

 

こうして、1つの専門ジャンルの中でSNSのフォロワー数が

トップクラスという立ち位置を確保できるようになると、

次のステップが見えてくる。

 

どんなジャンルにも必ずマニアックメディは存在する。

ぜひあなたも、これまで夢中になって取り組んできた

大好きな世界の専門メディアを客観的な目線で細かく研究することから

始めてみてほしい。

 

そのうえで、どうすればそおに出られるかという綿密な戦略を立て、

企画書をつくってプレゼン行脚するなど、あきらめずに行動し続けてもらいたい。

 

とはいえ、小さいメディアだとしても、専門誌などは、実はとても敷居が高い。

 

そうやって、マニアックメディア×SNSで培ったオリジナルコンテンツはのちに、

多くの化学反応を生み出し、すばらしい出会いをもたらす。

 

無名の個人が世の中に出る方法は、

専門メディアへの売り込みとSNSによる発信。

 

好きの徹底追求と発信で、個人ブランドを確立する。

 

今こそ無名の個人が活躍できる時代だ。

 

だれもがアーティストとして生きられる世界。

 

その熱狂度が高ければ高いほど、そのコンテンツの独自性は高まり、

必ずや熱い反応を呼び起こせるようになる。

 

クレイジーになって突き詰めてきたことを具体的な言葉で表現すると、

人生でもっとも多くの情熱、時間、そしてお金を投資してきたことになる。

 

幼少期または若かった当時、狂ったようにそれを楽しみ、

極めようと愚直に追求していたころ、

まさかこれが仕事になるなんて、

まったく思いもしなかった。

 

発信する情報やコンテンツがマニアックであればあるほど、

個人ブランドは強くなっていく。

 

なにか1つのテーマを極めて、

熱狂的に発信し続けている人ではないだろうか。

 

フォロワーからのニーズや感謝が積み重なることで、

いつか必ず仕事につながるのだ。

 

個人ブランドとは、

クレイジーになれるものに情熱と時間とお金を投資した結果

 

ベーシックインカムを自分でつくる

複数の小口収入とスキル交換という働き方。

 

どこか1つに依存せず、小さなキャッシュフロー(定期収入)を複数得る。

 

月数万円といった小口の定期収入を複数確保している状態。

 

責任を持てる範囲をあまり大きくしないスタイルで仕事を請け負う。

 

その仕事自体が1つの縛りになってしまうし、

もともと自由になりたくてはじめた生き方に相反する。

長時間に渡って場所の制約を受ける仕事も、基本的にお断りする。

 

個人として企業と対等にコラボレーションする。

 

新たなアイデアを生み出しては契約先へアウトプットし続けていると、

やがてそれが、独自のキラーコンテンツとして認められ、

逆に向こうから求められるようになる。

 

ワークスタイルを工夫すれば、今のライフスタイルを変えずに、

自信の市場価値を高めることができる。

 

この執筆という仕事こそ、

ぼくの仕事の中で、もっとも場所の制約を受けないもの。

お金よりも自由度を優先するというモバイルボヘミアンならではの判断基準の結果。

 

もちろん、表現したいことがあるから連載を続けている、

ということは言うまでもない。

 

そして当然、これらの連載はすべてぼくのライフスタイルそのものがコンテンツになっている。

テーマはそれぞれ、森の生活、旅、そして冒険といったもの。

 

●Lifestyle Design Camp

 

お金の代わりに、モノやサービスを受け取る。

 

アンバサダー・ワーク。

 

物々交換ならぬ物技交換、つまり、スキル交換スタイル。

 

ぼく自身の個人ブランド、発信力や表現力、アイデアや知識といった、

ぼく独自のスキル=技やコンテンツを提供する代わりに、

モノやサービスをいただく。

 

契約金ではなく、ぼくが使いたい最新のアウトドアウェアやギアを受け取る。

それらは、ぼくにとってはノドから手が出るくらい欲しいものだから、

お金をもらうより数十倍嬉しいことになる。

 

仕事とプライベートの垣根がなくなる。

 

海外で移動生活を送る際は、現地の泊まりたい長期滞在型アパートメントの発信をする代わりに、宿泊費を極端に割引してもらったり、

エアチケットを旅行代理店にサポートしてもらう代わりに、

ぼくの個人ブランドや人脈を提供するパターンもある。

 

毎年乗っているピースボートという客船では、

船内の部屋と食事、乗船地・下船地と日本間の航空券を出してもらい、

その対価として、無償で船上トークライブを行っている。

 

ぼくはこの2~3年の間に、

こういったお金を介在させない契約を意識的にどんどん増やしている。

最近では、アンバサダーだけでなく、アドバイザーの仕事も

スキル交換スタイルに移行するようになってきている。

 

お金を支払うよりも、

その企業がつくっているモノやサービスを提供するほうが簡単

仕事を受ける側のぼくは精神的負担が減る。

 

貨幣の価値はある日いきなり暴落することがあるが、

物の価値は突然下がることがない。

 

お金を介さない新しい働き方であり、

ぼくは、新しい自給自足の形と呼んでいる。

 

提供を受けるモノやサービスをもともと愛用していたか、

心から使いたいと思うことだ。

 

お金のためだけに働かない。

 

ぼくの遊び・生活・移動の経費はどんどん下がり、

ミニマム・ライフコストが飛躍的に小さくなっていく。

 

ぼくはさらにお金から自由になり、人生で、仕事で、

新たな挑戦ができるようになる。

そして、その挑戦がまた新たな仕事や収入をもたらしてくれる、

という正のスパイラルに入っていく。

 

どうしてもやりたいからである。これもモバイルボヘミアンの仕事哲学。

 

そして約束しよう。あなたにも、仕事につながるなにかが必ずある、と。

 

1社のみから多額の報酬を受け取る依存型よりも、

複数から小口収入もしくはスキル交換スタイルで、

多方面から定期的に入ってくることが重要なのだ。

 

小さくとも、種をしっかり蒔かないことには、決して芽は出ない

 

旅そのものを、生活にし、仕事にする。

本来の自分を取り戻し、究極の自由を手にする。

 

仕事につながるコンテンツすべてを、

自分のライフスタイルから生み出すことができれば、

あらゆる制約から解放されるようになり、

旅するように生きることが可能になる。

それこそが、自分の時間を完全に取り戻した状態であり、

究極レベルの自由を手にしたフェーズ。

 

このレベルまで来ると、依頼される仕事の精度も高まってくる。

 

モバイルボヘミアンとして生きるには、

自分が本当にやりたいこと(大切にしたいこと)を明確に持ち、

表現し続けていることが絶対条件となる。

 

そもそも、なにを中心に生きたい?と聞かれたとき、

あなたは即答できるだろうか。

 

今すぐ旅に出てみることだ。

 

あなたにとっての理想や生き方やホームプレイス、

心震えるほどのなにかに出会えるかもしれない。

 

断然これが好き。やりたいのは絶対これ、という

揺るがぬ自分軸を持ちながらも、年齢に関係なく、自由自在に変化し続けている

 

世界は広いという事実を体感としてリアルに知っていて、

土地ごとに多様な人々や、無数の価値観が存在することを理解している人。

そのうえで、あらゆる変化や進化を受け入れる度量を持ちながら生きている人。

 

年に1回でいい。

今あなたが暮らす環境とはまったく違う、新しい国、新しい街、

新しい土地に行ってみてほしい。

 

いつもいる場所でなんとなく植え付けられてしまった、

固定化された常識や当たり前という呪縛から少しでも距離を置くことができれば、

その旅は成功だ。

 

原体験を得る旅に出てほしい。

 

旅に出て、揺るがない自分軸と、変化し続けるマインドを両立させよう。

 

自分の意思で人生をデザインする。

 

ぼくの中心部から発せられる声が、穏やかな口調で、さあ、行こう 

と言ってくれていたから

 

失敗をおそれず実験と挑戦を続けてきたからこそ、

新しい人生の扉を開く、静かなる覚悟を持つことができたのだと思う。

 

答えがないのなら、自分が信じる方向へ筆を動かし続けて、

自分で人生をデザインすることに意味がある。

たとえそれが間違っていたとしても。

それが生きるってことだ。

 

その小さな声に耳を傾け、その感覚が示してくれる方向へ、

信じて進むよりほかにないのだ。

 

あなたの内なる声を、

他人の意見という雑音にかき消されてしまわないようにしてほしい。

もっとも大切なことは、あなた自身の心と直感に従う勇気を持つこと。

あなたの心と直感は、あなたが本来あるべき姿をすでに知っているのだから。

 

人生の自由度が増せば、思考の柔軟性と創造性が高まるだけでなく、

瞳や表情の輝きが増すものだ。

磨かれたたたずまいは、自ずと上質な人や情報を引き寄せてくれる。

 

自分は本当はなにが好きか。なにが向いているのか。